要チェック!本当の耐震住宅を建てるポイント
ここまで耐震住宅のメリット・デメリットを解説してきました。
それでは、本当に「地震に強い」耐震住宅を建てるにはどういったポイントを押さえておかなければならないのでしょうか。次からはいくつかの条件や、制度をご紹介します。
地震に強い土地を選ぶ
まずは地盤のしっかりした土地を選ぶことが必須です。なぜなら地盤が弱いと家が傾く原因になるからです。
地盤が強い土地のことを「硬質地盤」といい、この硬質地盤が最も地震に強い土地です。硬質地盤は地震だけではなく、大雨・地震・津波にも強い土地と言われています。
地震で発生する液状化現象(地面が液体のように柔らかくなってしまう現象)の発生も低い土地です。
硬質地盤の見分け方
・岩盤や小石などを多く含む
・水はけの良い土地
硬質地盤とは逆に地盤が柔らかい土地を軟弱地盤と言います。
軟弱地盤は埋め立て地の可能性が高いです。川や海を埋め立てたため、水分を多く含んでいる可能性があり、耐久性がありません。
耐震等級2・耐震等級3の住宅を建てる
耐震等級という一つの耐震性における目安もあります。1~3までの等級があり、数字が大きいほど、耐震性があるという「品確法」という住宅の性能表示制度に基づいています。地震はもちろん、台風による倒壊・崩壊しにくい住宅です。
ちなみに耐震等級3の建物は災害時などの避難場所や救援拠点に指定されています。耐震等級2は住宅において、「長期優良住宅」として認定されています。
また、耐震等級2の住宅であれば震度6にも耐えられるだけの耐久性があるので、耐震住宅を建てる際は耐震等級2以上の住宅を建てるようにすると良いです。
気密性・防蟻性に優れた住宅を建てる
家は台風でも揺れ動き、地震であれば尚、大きく動きます。その時、気密性を高めている断熱材も動くので、初めから気密性をきちんと高めた住宅を建てることが耐震性能にも関わってきます。
気密性が損なわれにくい家は性能面で劣化が起こりにくいとされています。住宅の断熱性を長く保つためにも気密性の高い住宅づくりを進めましょう。
シロアリに柱や梁を喰い尽くされてしまった住宅は非常に脆くなっています。耐震等級2以上の住宅でも柱や梁を食い尽くされている場合、住宅を支えている柱や梁が弱いためすぐに倒壊してしまいます。
見た目はしっかりとした住宅に見えても、内部はシロアリだらけでは耐震性能が疑われます。家を建てる際やメンテナンス時には防蟻対策もしてくれるのかにも注意してください。
長方形の家よりも正方形のお家が地震に強い
住宅を設計から考えた時に「形」を気にされている方はいらっしゃるでしょうか。住宅の形としてバランスの良い形の方が耐震性能は高くなります。ベストな住宅の形は「正方形」です。
細長い「長方形」の住宅だと、長辺に対して上下方向の揺れには強いですが、長辺に対して横方向の揺れには弱くなります。
設計上、安全性がクリアされていても安定性を考えたときには「長方形」の住宅よりも「正方形」の住宅が強くなります。
いびつな形になるほど、耐震性能に悪影響を及ぼしますので、計段階で住宅の「形」についても着目してみてください。
屋根の種類を考える
屋根も耐震性能に大きく関わる部分です。
東日本大震災で倒壊した住宅は屋根に瓦を使った家の割合が多くみられました。瓦は日本ならではの建材ですが重量があります。基本として、軽い屋根の方が地震には強いのです。
屋根の材料として日本の瓦は165キログラム、スレートは68キログラム、ガルバリウム鋼板は17キログラムです。重さに多大な差があることが分かると思います。耐震性能を考えるなら、屋根のことまで考えてみてください。
耐震性をアップさせる「耐震補強工事」
建売住宅を買おうとしている人で最初から、「耐震補強工事」を考えて購入する人は少ないと思います。
建築基準法に基づいて耐震等級が定められていますが、大地震が起きた後も自宅に住み続けるには耐震等級の高い家を目指すべきでしょう。
購入しようとしている建売住宅の耐震等級は十分ですか?耐震補強工事を行えば、現在住んでいる住宅や中古住宅を新築以上の耐震性能にすることも可能です。
まとめ
以上が、耐震住宅のメリット・デメリットと本当に地震に強い「耐震住宅」を建てるポイントでした。いかがでしたでしょうか。
まだまだ、耐震性能に強い家について考えたい方は専門家にご相談ください。阪神淡路大震災・東日本大震災・熊本地震などから日本ではまだまだ住宅の耐震性について考える余地があります。安心して暮らせる家づくりをしていきましょう。