COLUMN
コラム

本当に知っていますか?日本における最新の耐震住宅事情

阪神淡路大震災・東日本大震災など、地震による被害は大きく、日常でもふと不安に駆られることがあると思います。 住宅についての新しい耐震事情を知っていれば、それだけで災害に対する理解が深まり、防災意識を高めることになります。 特に、これから家を建てる人には必見の情報になるでしょう。 現在の耐震住宅の情報を知っていれば、必要以上に地震を恐れることはありません。安心の家づくりを考えるきっかけにしてもらえれば幸いです。

どういう過程で発生する?そもそも地震とは何か。

そもそも私たちが恐れている地震とは何でしょうか? ここでは、「地震とは何か」についてどういう過程で発生するのか、基本的な情報を出来るだけ分かりやすく解説いたします。 地震についての理解を深めたうえで、「地震についての対策」や「地震に強い住宅」を考えていきましょう。

基本的な地震のアレコレ

地震の揺れが大きいほど、土砂災害・津波、ひいては家屋の倒壊の危険性が高まります。

地震の特徴としては、

 

・規模の大きい地震は、周期の長いゆっくりとした大きな揺れが起こりやすい ・大地震の後に続く余震は数か月、時として数十年続く ・震源の遠方では、小さな縦揺れを感じた後に横揺れを体感することが多い

 

意外ですが、「余震」は最初の大地震と同程度のおおきな揺れが起こることもあります。 住宅内で地震が起こった場合、慌てて外へ出てしまうと周囲の住宅が倒壊し落下物の被害にあう可能性があるため非常に危険です。 地震から家族を守るために、「地震に強い住宅」を建てるお客様も数多くいます。

地震大国日本ってホント?日本にはどれくらいの地震が発生しているの?

日本は地震大国と言われていますが、1年間でどれくらいの地震が発生しているかご存知ですか? 実は、規模の小さい地震も含めると2021年は2000回以上も発生しています。 世界で発生する20%の地震が日本で発生しているとも言われています。 なぜ、日本は地震が発生しやすいのでしょうか? その答えは「プレート」の関係にあります。日本列島は4つものプレートの上に乗っています。 まず、海のプレートが陸のプレートにもぐり込んだ際に起こる「海溝型地震」。そして、陸側には約2000もの活断層があり、それによって引き起こされる「内陸型地震」。 つまり「海」と「陸」両方による地震が日本には引き起こされやすいのです。

地震の揺れを表す用語

地震の大きさを表す用語として「マグニチュード」や「震度」があげられます。この二つには違いがあります。 「マグニチュード」(M)は地震の規模を表す単位です。マグニチュードが1つ上がるごとに地震の規模(エネルギーの大きさ)も約32倍になります。 次に、「震度」ですがこちらは地震の際のある地点(たとえば、東京や大阪など)の揺れの強さを表します。マグニチュードは規模ですが、震度は震源からその地点までの距離や地盤などを考慮にいれた単位だと言えます。

一般的な住宅は正直、どれ程の震度に耐えられるの?

これまで、地震についてご説明してきましたが、では、正直に一般的な住宅はどれほど「震度」に耐えられるのでしょうか? 建物が倒壊する危険性が出てくる震度は「震度6」からです。 特に「震度6強」からは壁のタイル・窓ガラスの破損が見られ、建物が倒壊する危険性が出てきます。 耐震設計をしていない一般的な住宅において、家屋倒壊率30%以上であった阪神淡路大震災の場合、「震度7」でしたので、1つの目安になるのではないでしょうか。

耐震住宅とは

では、ここからは実際に「耐震住宅」とは何かについて解説していきます。 「耐震」と名前が付いているように地震に対する揺れに強い、という特徴があります。 「基準は何か?」と思われた方も多いと思います。それは「震度6強」から「震度7」の揺れでも倒壊しない住宅を指します。 つまり、大地震が発生しても構造上、損傷が生じにくい揺れに耐える性能をもつ住宅です。

耐震住宅といっても色々あります!種類別に徹底解説

耐震と言っても、昨今は様々な土地柄に合わることも可能で、色々な方法で建てられています。それは「耐震」以外にも「免震」や「制震」といった性能です。 種類別に徹底紹介していきますので、防災の観点からご自身の建てたい住宅のタイプの参考にしてみてください。

耐震

「耐震」とは住宅の柱や梁の主要な構造で地震を耐える設計のことです。 「免震」や「制震」に比べ、一般的に広く使われているのが耐震と言えるのではないでしょうか。メリットとしてコストがかかりにくいことが1番にあげられます。 「耐震住宅」は地震時の横揺れには弱い特徴があります。大地震において命が助かるほどの強度は備えていますが、住宅自体に損害が生じる可能性は高いです。 リスクとして、もしも大地震が来たら、建て替えの検討が必要になる場合もあります。しかし、耐震住宅では地下室など住宅設計に自由度が生まれますので柔軟な住宅デザインが可能です。

免震

建物と基礎の間に「免震装置」を挟むことによって地震エネルギーを伝わりにくくするのが特徴です。 もし、大地震が来ても建物の被害を最小限に抑え、さらに家具の転倒を防ぐことも出来るのが免震です。 デメリットとしては、コストがだいぶかかることでしょう。耐震住宅と免震住宅での費用は数十万から数百万の差があります。

制震

地震が起きた際に伝わる揺れを別のエネルギーに変換して軽減するのが特長です。こちらはまだまだ取り入れている方が少ないですが、柱などの構造を損傷させません。 そのため、地震時の建物被害が少なく、そのまま住める可能性も大きいです。 こちらも免震と同じく家具の転倒などを予防することが出来ます。設置法としては、建物の柱の間などに揺れを吸収する装置を取り付けます。 メリットとして後付けも可能で安いことです。デメリットとしては、装置を設置する場所や数によって効果に差が出ます。設置する業者選びが大切です。さらに制震装置を取り付ける材質はなるべく軽くやわらかい物が適しています。 耐震性を重視した重い材質の住宅とは相性が悪いため、「耐震」を取るか「制震」を取るかの分かれ目があると言えるでしょう。

免震と制震の違いを深堀り!

「免震」と「制震」の大きな違いは「建物の揺れの伝わり方」です。免震装置は地盤に設置するため、地震の揺れは伝わりにくいです。 一方、制震装置は柱や梁などに装置があるので、揺れを感じます。ただし、免震は制震のように後付けが出来ず、費用も「耐震」「制震」と比べ高い傾向にあります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。地震はいつ起こるか、誰にも予測出来ません。 しかし、「東京直下型地震」「南海トラフ巨大地震」など私たちの不安をあおるような地震の情報は常に入ってきます。 そんな地震の不安をなくすためにも耐震住宅について考えることは大切です。安心できる家づくりの参考にしてみてください。


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