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地震に強い耐震住宅とはどんな住宅?耐震住宅の見極め方4選

地震が多く、活断層も多い日本において、住宅を建てる際に耐震性について考えることは重要だと思います。

いざ、地震が来た時に住宅内はどう揺れるのか、倒壊などによる被害は抑えられるのか。

メリット・デメリット両方の側面から正しい見極めが出来るように今回は耐震住宅について解説いたします。

高気密高断熱住宅の内観

耐震住宅のメリット

耐震住宅とは、地震の揺れに強い住宅を指します。

耐震住宅と呼べる基準としては、震度5の揺れに対して損傷しない、震度5以上の揺れに対しても倒壊しないことが目安です。
そんな耐震住宅の利点を述べていきます。

 

メリット1:地震から建物の倒壊を防ぐことが出来る

建築基準法に基づいて建てられるため、先に述べたように構造上は建物の倒壊・崩壊が起こらないようになっています。

メリット2:住宅の設置制限がない

住宅に地震への対策が施されている耐震住宅は「土地の広さ」や「地盤」による設置制限がありません。

また、耐震住宅だと地下室が設置できます。
地下室は様々な使用用途があり、「倉庫」や「騒音の少ないワークスペース」などとして活用することが出来ます。

メリット3:台風にも強い

耐震住宅は地震に強い住宅ではありません。耐震住宅は「揺れ」に強い住宅です。
そのため地震だけでなく、台風にも強いという特徴があります。強風などでもほとんど揺れはありません。

鹿児島県は台風の上陸数(台風の中心が通過した回数)が日本1です。
そのため、鹿児島県は台風の被害を最も受けやすく、台風対策で耐震住宅に住むことも一つの手ではないでしょうか。

耐震住宅のデメリット

地震と揺れに強いことは示されている耐震住宅ですが、次にデメリットについても説明していきます。

「地震に強いから大丈夫」と思っていても、実際にデメリットの理解がなければ、戸惑うことがあるかもしれません。

デメリット1:揺れが建物に伝わりやすい

揺れに強い耐震住宅ですが、その分、地震の揺れは強く伝わるため、地震時には激しい揺れを感じます。
揺れにより、建物内の家具や食器が転倒する可能性もあり、当然、怪我の危険性もあります。
その結果、強い揺れによって破損したものは修繕したり買い替えたりする必要があります。

デメリット2:二次被害のリスクがある

大地震では強い揺れにより家具が転倒し、下敷きになり、壁に圧迫されるという事例もあります。
新築住宅では耐震性能を備えているので、あくまで可能性の話ですが、リスクについては考えておくべきでしょう。

耐震住宅であっても揺れはあるので、家具の上部に突っ張り棒などをするなどの対策が必要かと思われます。

 

デメリット3:繰り返しの地震に弱い

耐震住宅は地震に耐えることは出来るのですが、余震など、繰り返しの地震に損傷を受けやすいと言われています。
損傷を受けた部分は、当然ながら修理しなければないので、必然的にコストがかかってきます。

要チェック!本当の耐震住宅を建てるポイント

ここまで耐震住宅のメリット・デメリットを解説してきました。

それでは、本当に「地震に強い」耐震住宅を建てるにはどういったポイントを押さえておかなければならないのでしょうか。
次からはいくつかの条件や、制度をご紹介します。

高気密高断熱住宅の内観

地震に強い土地を選ぶ

まずは地盤のしっかりした土地を選ぶことが必須です。なぜなら地盤が弱いと家が傾く原因になるからです。

地盤が強い土地のことを「硬質地盤」といい、この硬質地盤が最も地震に強い土地です。
硬質地盤は地震だけではなく、大雨・地震・津波にも強い土地と言われています。
地震で発生する液状化現象(地面が液体のように柔らかくなってしまう現象)の発生も低い土地です。

硬質地盤の見分け方

・岩盤や小石などを多く含む
・水はけの良い土地

 

硬質地盤とは逆に地盤が柔らかい土地を軟弱地盤と言います。
軟弱地盤は埋め立て地の可能性が高いです。
川や海を埋め立てたため、水分を多く含んでいる可能性があり、耐久性がありません。

耐震等級2・耐震等級3の住宅を建てる

耐震等級という一つの耐震性における目安もあります。
1~3までの等級があり、数字が大きいほど、耐震性があるという「品確法」という住宅の性能表示制度に基づいています。

地震はもちろん、台風による倒壊・崩壊しにくい住宅です。
ちなみに耐震等級3の建物は災害時などの避難場所や救援拠点に指定されています。

耐震等級2は住宅において、「長期優良住宅」として認定されています。
また、耐震等級2の住宅であれば震度6にも耐えられるだけの耐久性があるので、耐震住宅を建てる際は耐震等級2以上の住宅を建てるようにすると良いです。

気密性・防蟻性に優れた住宅を建てる

家は台風でも揺れ動き、地震であれば尚、大きく動きます。
その時、気密性を高めている断熱材も動くので、初めから気密性をきちんと高めた住宅を建てることが耐震性能にも関わってきます。

気密性が損なわれにくい家は性能面で劣化が起こりにくいとされています。
住宅の断熱性を長く保つためにも気密性の高い住宅づくりを進めましょう。

シロアリに柱や梁を喰い尽くされてしまった住宅は非常に脆くなっています。
耐震等級2以上の住宅でも柱や梁を食い尽くされている場合、住宅を支えている柱や梁が弱いためすぐに倒壊してしまいます。

見た目はしっかりとした住宅に見えても、内部はシロアリだらけでは耐震性能が疑われます。
家を建てる際やメンテナンス時には防蟻対策もしてくれるのかにも注意してください。

 

長方形の家よりも正方形のお家が地震に強い

住宅を設計から考えた時に「形」を気にされている方はいらっしゃるでしょうか。
住宅の形としてバランスの良い形の方が耐震性能は高くなります。ベストな住宅の形は「正方形」です。

細長い「長方形」の住宅だと、長辺に対して上下方向の揺れには強いですが、長辺に対して横方向の揺れには弱くなります。

設計上、安全性がクリアされていても安定性を考えたときには「長方形」の住宅よりも「正方形」の住宅が強くなります。
いびつな形になるほど、耐震性能に悪影響を及ぼしますので、計段階で住宅の「形」についても着目してみてください。

 

屋根の種類を考える

屋根も耐震性能に大きく関わる部分です。

 

東日本大震災で倒壊した住宅は屋根に瓦を使った家の割合が多くみられました。瓦は日本ならではの建材ですが重量があります。基本として、軽い屋根の方が地震には強いのです。

屋根の材料として日本の瓦は165キログラム、スレートは68キログラム、ガルバリウム鋼板は17キログラムです。重さに多大な差があることが分かると思います。耐震性能を考えるなら、屋根のことまで考えてみてください。

耐震性をアップさせる「耐震補強工事」

建売住宅を買おうとしている人で最初から、「耐震補強工事」を考えて購入する人は少ないと思います。

建築基準法に基づいて耐震等級が定められていますが、大地震が起きた後も自宅に住み続けるには耐震等級の高い家を目指すべきでしょう。

購入しようとしている建売住宅の耐震等級は十分ですか?耐震補強工事を行えば、現在住んでいる住宅や中古住宅を新築以上の耐震性能にすることも可能です。

まとめ

高気密高断熱住宅の内観

以上が、耐震住宅のメリット・デメリットと本当に地震に強い「耐震住宅」を建てるポイントでした。いかがでしたでしょうか。まだまだ、耐震性能に強い家について考えたい方は専門家にご相談ください。阪神淡路大震災・東日本大震災・熊本地震などから日本ではまだまだ住宅の耐震性について考える余地があります。安心して暮らせる家づくりをしていきましょう。

 

 


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