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高気密高断熱住宅におけるUa値とは?断熱性能を測る指標を解説!

高気密高断熱住宅を建てる際に目安となる「Ua値」という値をご存知でしょうか。

正しい住宅選びをする際に一つの指標となるのが「Ua値」です。

今回は、この「Ua値」について説明していきます。
家づくりのポイントとなりますので、是非、参考にしてください。

高気密高断熱住宅の内観

Ua値とは?

そもそもUa値とは「外皮平均熱貫流率」の略です。
外へ逃げる熱を外皮(建物)等の面積全体で平均した値のことで、住宅における「熱の逃げやすさ」を示した数値です。断熱性を比べる指標になります。

Ua値の単位とは?

詳しく述べると、「外皮平均熱貫流率」(Ua値)の単位は「W/㎡K」です。
建物が損失する熱量の合計「W/K」を外皮面積「㎡」で割った値となります。

熱貫流率は小さいほど熱が逃げやすく高性能住宅であることを示しています。
建物が損失する熱量「W/K」は、窓サッシ・屋根・外壁・床・玄関・基礎から逃げてしまう熱量の合計です。

古いQ値と新しいUa値

Ua値とよく似た値としてQ値が上げられます。こちらは「熱損失係数」と言います。
1999年の次世代省エネ基準で採用された数値がUa値で、Q値はそれ以前に使われていた断熱性能を示す値となります。

Q値とUa値の違い

Ua値とQ値は一見、似ていますが、明確な違いがあります。
Ua値とQ値の違いは「換気や湿気による熱損失も含められているか含められていないか」という点です。

Ua値とQ値の明確な違い

・Q値では換気、湿気による熱損失も含まれる
・Ua値では換気、湿気による熱損失も含まれない

以前まではQ値が使われていましたが、今では世界でも使われているUa値が普及しました。
Ua値と同じく、数値が低ければ低いほど断熱性が高いと判断されます。

さらに、Ua値の分母が「外皮面積」であるのに対し、Q値は「延べ床面積」で計算します。熱損失は建物の床だけでなく、壁・天井・玄関といった部分でも生じます。
正確な断熱性能を測るためには熱損失が生じる全ての部分の面積で計算をする必要があります。

Ua値が低い住宅を建てるメリット

Ua値が低い高断熱住宅には様々なメリットがあります。そのメリットについて解説します。

光熱費が安い

高断熱住宅の特徴として「夏は涼しく・冬は暖かく」があるため、冷暖房の稼働率が低く、節約につながります。

CO2の排出量を削減できる

住宅でのエネルギー消費を抑えることにより、CO2の削減につながり、地球環境に配慮したエコな暮らしが出来ます。

結露が防止できる

断熱性能が悪い住宅は結露が発生し、カビやダニの発生源となります。
カビやダニが発生している住宅に住み続けている場合、喘息を引き起こす可能性があります。

その他にも、建てた直後は地震にも強かった住宅もカビの発生している場合は耐久性が落ちてしまいます。そのため、カビの発生している住宅の耐震性は弱くなっています。

ヒートショック現象の防止

温度差の激しい部屋同士を行き来したときに心筋梗塞や脳梗塞を引き起こしてしまう場合があります。

温度の低い洗い場から、温度の高いお風呂に入ったときには、体が瞬時に温められるため血管が膨張し血圧が上がります。このような血圧上昇が脳梗塞や心筋梗塞を引き起こします。

断熱性能の高い住宅では、部屋同士での温度差が低くなるため、ヒートショック現象を防止することもできます。

高気密高断熱住宅の内観

Ua値を低くする方法

Ua値が低いことにより、様々なメリットが得られることがお分かり頂けたと思います。
では、ここでは設計・建築方法により、Ua値を低くするための対策をご紹介します。

Ua値を低くする大切なポイントをご紹介しますので、工務店やハウスメーカーを選ぶときの参考にしてみてください。

内壁の断熱性能よりも外壁の断熱性能を重要視する

外断熱(外壁に断熱層を含んでいる工法)の方が内断熱(内壁に断熱層を含んでいる工法)よりも住宅の断熱性は高くなります。これは、外壁の断熱性能を高めるということは、住宅全体の断熱性が高くなるからです。

外断熱の場合、住宅全体に断熱作用があるため、外気と住宅内の温度差が小さくなり、結露の発生を防ぐことが出来ます。そのため、住宅の劣化を抑えられ、長持ちするメリットがあります。
また、住宅全体を断熱材で覆っているので、構造自体を保護する機能もあります。

しかし、クオリティホームでは理由があり外断熱ではなく内断熱を採用しています。
これは、外断熱の住宅はシロアリ被害を受けやすく、高い耐震性を損なってしまうというデメリットがあるからです。

外断熱工法で作られている住宅では、基礎外断熱が用いられています。
基礎外断熱は地盤と断熱材が地面に接しており、シロアリが断熱材を侵食し住宅の基礎部分にシロアリが住みついてしまいます。
基礎部分に住みついたシロアリが住宅基礎のあらゆるものを食い尽くしてしまうため、耐震性を損なってしまいます。

クオリティホームでは、外断熱工法に頼らなくても十分な断熱性能を実現することが出来るため、内断熱工法を採用しています。

玄関ドアのグレードをD2/K2にする

住宅関連のカタログを見た際、「D2仕様」や「K2仕様」などの表記があります。
これは、玄関ドアや窓・サッシの「断熱性能」を表すものです。

玄関ドアのグレードには「K2・K3・K4」、「D2・D3・D4」があり、数字が小さくなるほど性能が上がります。

「K2・K3・K4」のK、「D2・D3・D4」のDの違いについて

K・・・YKK AP株式会社が製造している玄関ドアで使われている記号
D・・・株式会社LIXILで製造している玄関ドアで使われている記号

なお、性能に関してはK2とD2、K3とD3、K4とD4はほとんど同じ基準となっています。

K2やD2のような高いグレードの高断熱ドアを活用することで断熱性が向上し、光熱費を抑えることが出来ます。
Ua値を低くするにはこの表記もしっかり確認しましょう。

窓サッシの断熱性能を向上させる

窓サッシの断熱性能が住宅の断熱性能を左右すると言われるほど、重要なポイントとなります。
住宅から損失する熱量の合計の50% ~ 70%は窓サッシからのため、断熱性能を向上させたいと考えている方は窓サッシの断熱性を確認してみてください。

窓サッシの種類により、断熱性能は大きく異なります。
例えば、樹脂フレームの窓は、アルミフレームの窓に比べ、熱の伝わり方が低いため窓の外が暑い時でも寒い時でも快適な室内環境を作ってくれます。
Ua値を低くし、快適に過ごすためには、窓やサッシにもこだわりたいところです。

高断熱住宅を建てる際に注意するポイント

高気密高断熱住宅の内観

ただの高断熱住宅は過ごしにくい可能性があります。
特に夏場の場合、高気密高断熱住宅は熱をため込んでしまい熱くなりすぎてしまう傾向にあります。

これを防ぐために、パッシブハウス(自然の力を効率的に活用した住宅)の要素を取り入れる必要があります。
寒い冬のパッシブハウスでは、自然の風を遮りながらや太陽光を効率的に取り込みやすい間取りを活用したり、暑い夏場は庇を使って太陽光を遮りながら自然の風を取り込む間取りや工夫を施しています。

このように高気密住宅は自然の力を適切に活用しないと住みにくい住宅となってしまうため、高気密とパッシブハウスを掛け合わせて住宅施工をしてくれるような工務店に依頼をすることが必要となります。

まとめ

Ua値についてご説明していきました。
高気密高断熱の住宅作りにおいて、Ua値はとても重要な数値です。
今回の解説を元に理想的な家づくりを考えるきっかけになれば幸いです。
快適で健康な暮らしに少しでも役立ててみてください。


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